心が傷つきやすい人
「(心が)傷つきやすい」ことに悩む人がいます。
心が傷つきやすい人は、それだけ苦痛が多く、生きていくのは大変でしょう。
傷つきやすいことを嘆いていてもつらいだけ(自分をいじめているようなもの)です。
傷つきやすい自分をそのままに放っておかないで、少しでも強くなれるように努力したほうがいいでしょう。
1.小さいことでも傷ついてしまう人
2.痛みに弱い人
3.自分で傷を悪化させてしまっている人
4.治りが遅い人
5.心の傷を乗り越えた人
『弱い心を強くしなければならないのである。
それが本当の解決法である』 ひろさちや
傷つきやすい人も心がけと努力を続けることで、心を強くしていけるといいのではないでしょうか。
名言
『小人は小さなことでむやみに傷つく』 ラ・ロシュフーコー
小さいことでも傷ついてしまう人
傷つきやすいのはまず、皮膚が弱い人。つまり、小さいことでも傷ついてしまう人です。
傷つきやすいのは「性格だから(変えることはできない)」と考えてしまう人もいます。
傷つきやすいのは「性格というよりも、そういう考え方のクセ」と考えたほうがいいでしょう。
確かに、その人の根の性格というのは変えられないのだと思います。また、考え方に性格が影響するのは確かです。でもそれはほんの一部のような気がします。
逆に、考え方をちょっと変えたら、性格が変わったように感じられるかもしれません。
ささいな事でも、つい考えて(イヤな気もちになって)しまうことはあるでしょう。
“小さいこと”は「心のすり傷」と考えられるでしょう。
大人なら、すり傷への対処法はわかるでしょう。
「こんなの大したことない」「今気になるのはしかたがない」「そっとしておけばすぐに治る」などと考えて、傷に触れない(考えない)ように心がけ、他のことに意識を向ければいいのです。
まずは、「小さいことでくよくよするのはやめよう」と決意する必要があります。
あとは、小さいことでくよくよしないための幸せになる考え方を心がけ、一つ一つ身につけていけるといいでしょう。
痛みに弱い人
心が傷つきやすい人の中には、痛みに弱い人がいます。
ちょっとした痛みでも(心の中で)大騒ぎしたり、耐えられない人です。
イヤなことが一つでもあると生活に悪影響がでてしまう人です。
やるべきことをやらなかったり、悪い気分に流されて悪いことをしてしまったりして、次の問題を引き起こしてしまうこともあります。
悩みや問題があってもそれなりに幸せに暮らすことが大切です。
痛みに強い人は多少痛くてもふつうに生活できます。
痛みに弱い理由として考えられるのは、恐れすぎ、慣れていない、受け入れられないの3つです。
何かを恐れる気もちが強いと、そのことに敏感になるものです。少しでも心が痛むと「大変だ、大変だ」と思ってしまいます。
心の痛みに慣れていない人も、その状態に耐えられないでしょう。すぐに「誰かが悪い」「自分は弱い」などと考えて、嘆いたり落ち込んだりしてしまいます。
「心が痛むことはあるもの」「心が痛むことがあるのは当たり前」と(受け入れる)考えができるかどうかによって、痛みを感じる度合いは変わってくるのです。
そして、「多少の痛みは我慢すればいい」と覚悟できれば、それなりに我慢できます。
多少でも我慢できれば、痛みに慣れることができ、次の時にはもう少し我慢できるでしょう。
ある程度の痛みは我慢できると思えるようになれば、心の痛みをそれほど恐れなくてすむのです。
痛みに弱い人は、傷つくことを恐れて臆病になってしまいます。傷つく恐れがあることを、はじめから避けてしまったりします。
ふつうに生きようとしても、傷つくことはあります。それを恐れてふつうに生きることから逃げてしまうのは、別の大きい問題を生んでしまうのではないでしょうか。
傷つくことを恐れて何もしなければ、傷つかない術を身につけることも、痛みに強くなることもできません。ますます痛みに弱くなってしまうのではないでしょうか。
幸せになれる可能性があることをしなければ、それだけ幸せにもなれません。
「心が痛むことはあるもの」「痛みには多少の我慢も必要」と覚悟するだけで、少しは痛みに強くなれるでしょう。
自分で傷を悪化させてしまっている人
心の傷が深くなってしまったりなかなか治らない人は、自分で傷を悪化させてしまっているのかもしれません。
悪い出来事があったあとに、そのことを繰り返し考えてしまうとなかなか忘れられません。そのことを悪く考えてしまうと傷を悪化させてしまうこともあります。
「心の傷が痛むのは自分がいじっているから」と考えられるといいでしょう。
まだふさがっていない傷口をつっついたりいじったりしてしまったら、痛いだけではなく、傷の状態を悪くしてしまったり傷口を広げてしまうこともあります。
心の傷の場合には、気づかずにそれをしてしまうことが多いのです。
体の傷だったら、ふと傷口をいじってしまっても痛みがあればやめます。心の傷でも同じはずです。
でも心の傷の場合には、痛いのはその傷をつくった原因のせいだとばかり考えて、自分がいじっているせいだと気づけない人が多いのです。
心の傷口が痛いのは「自分がいじっているから」と気づければ、いじるのをやめることができます。
たとえば人間関係の場合には、イヤな人といっしょにいない時にはその人のことを考えない、余計なことを考えないような心がけが大切です。
また、そんな弱い自分を責めるのも、自分をいじめ、自分を傷つけているのと同じです。
傷つきやすい自分を少しでも強くしたいと思うのなら、自分で自分を傷つけるようなことはやめ、自分を大切にすることを身につけたほうがいいでしょう。
治りが遅い人
心の傷がなかなか癒えずに、一度傷つくとなかなか立ち直れない人もいます。
心の傷を早く癒すためには心の栄養・心の休養・心の運動を心がけることができるといいでしょう。
多少心が痛むことがあっても生活の中で愉しむことが大事です。
楽しい時間、やすらげる時間、夢中になれる時間などの幸せを感じられる時間を持つことが、回復力を高めてくれます。
ある程度回復したら、ふつうの生活に復帰するためにリハビリ(テーション)を考えてみると、より早く立ち直れるでしょう。
一つは、できることからふつうに生活することを心がける。
もう一つは、心に傷を負ったことを「いい経験にしよう」と心がけることです。
心に傷を負ってからある程度時間がたっても心に傷が残っているという場合、それは「傷痕」と考えられます。
傷痕と言っても疼くことはあります。
でも痛むのは自分でつっついているからではないでしょうか。
ふと思い出しても、その事を悪く考えなければ苦しまなくてもすむはずです。
心の傷を乗り越えた人
心が傷ついた経験がある人は、人の心の痛みを理解しやすいでしょう。
ただし、心の傷が癒えていない人や、心の傷痕にとらわれて立ち直れていない人は、人の心の痛みを察するやさしさは持ちにくいでしょう。
心の傷を乗り越えるためには、辛さに耐え、問題に立ち向かう必要があります。
その経験が、自分を強くするのです。
本当のやさしさには強さが必要です。やさしい気持ちだけでは、やさしい行為を実践することは難しいでしょう。
心の傷を乗り越えた人は、やさしさと強さを身につけることができるのだと思います。
♪ 人は悲しみが多いほど
人にはやさしくできるのだから(「贈る言葉」より)
心の傷もたいていは時がたてば自然に治りますが、心の傷を乗り越えて、より早く立ち直るためには、不幸を幸せに変えることができるといいでしょう。