悩みのヒント 人と話すのが苦手 会話が苦手の克服法

 「人と会話するのが苦手」と悩む人がいます。
 会話は人づきあいの扉です。
 会話などのコミュニケーションを通して、いい人間関係を築いていくことが、幸せに(暮らせるように)なることにつながるのではないでしょうか。

1.「会話が苦手」の3つのケース
2.会話が苦手でも悩み苦しまない
3.会話上手になるための工夫と努力
3.1 話題の考え方
3.2 会話の展開を工夫する
4.会話の実践練習をする
5.どこまで努力するか
5.1 会話の価値

 本来なら会話を楽しめるのがいちばんいいのでしょうが、苦手意識があるうちは難しいし、ある程度会話がラクにできるようになってからだと思います。
 また、いろんな相手と様々な状況でつきあうこともあるので、緊張したり気を遣ったりしながらでも、それなりに会話ができるようになれるといいのではないでしょうか。

 自分に合う人が見つかり、関係が深まれば、会話を楽しめるようになれるでしょう。
 そこまでの努力はけしてムダではありません。少なからず、自分を育てることができるでしょう。

記事
「人見知り」や「話下手」でも大丈夫! 初対面の人とすぐに打ち解ける6つの会話術」(ライフハッカー)
百田尚樹が実践している「つい引き込まれてしまう」雑談の秘訣」(PHPオンライン衆知)
仕事相手との「雑談」で、もしも話題に困ったら試してほしい3つのルール」(ライフハッカー)
「思った通りに伝わらない」を変えたい! 気持ちを伝えやすくなる会話のポイント」(YOLO)
1日1回友人と気持ちの伝わる会話をするだけで幸福感は高まる」(ナゾロジー)
人生でもっとも大切なスキル「コミュニケーション力」を向上させる方法11」(ライフハッカー)

名言
『話上手の第一の要素は真実、第二は良識、・・・』 テンプル

『相手が何を聞きたがっているかを考えるのに三分の二の時間を使う』

『「上機嫌」は、円滑なコミュニケーションのための技!』 齋藤孝

『行く言葉が美しければ、来る言葉も美しい』 韓国のことわざ

『和顔愛語』

人付き合いに関する名言集


1.「会話が苦手」の3つのケース

 会話が苦手な人には、おもに3つのケースがあるようです。
(1)会話が続かない
 何を話していいかわからない・話題がない・会話が途切れる・間がもたないなどに気づき、あせってしまい、気まずい雰囲気を感じてしまう。沈黙を怖れてしまう人がいます。話がはずまない・ウケが悪いことを気にしてしまう人もいます。そのために、落ち込んでしまったり、人づきあいをわずらわしく思ったりしてしまうことがあります。

(2)話題が合わない
 人の話題がつまらない・興味がないと思ってしまうことがあります。
 世間話・形だけの会話・無意味な会話などを嫌う人がいます。反対に、まじめな話・相談事などをイヤがる人もいます。
 人の悪口・うわさ話・自慢話ばかりをする人の話を聞くのがイヤだという人もいます。
 人との会話が楽しくない・価値がないなどと考えてしまう人がいます。自分に合わない話題はしたくない、人に話を合わせるのは疲れる・イヤだと考えてしまう人もいます。

(3)人と話すのが怖い
 人と向かい合って話をするとすごく緊張していまう人がいます。ドキドキしたり赤面したりしてすごくあせってしまう人もいます。相手と視線を合わせるのが苦手という人もいます。
 また、相手にどう思われるかが怖くて思うように話せない人がいます。そのために、自分を出せない・心を開けないなどと悩んでしまう人もいます。

 (1)のケースの人には、「会話が途切れてはいけない」「話をはずませたい」「人とうまく会話できないのは欠点だ」というような思いがあるのかもしれません。
 (2)のケースの人には、「価値のない会話はムダだ」「深い話ができる相手がほしい」「ムリして人に話を合わせる必要があるのだろうか」などの思いがあるように思われます。
 (3)のケースの人には、「人に嫌われたくない」「人によく思われたい」などの思いがあるのでしょう。


2.会話が苦手でも悩み苦しまない

(1)その場での対策
 会話の最中にイヤな感じがしたりあせったり困ったりした場合の考え方を紹介します。自分なりにアレンジしたり、さらにいろいろ工夫してみるといいでしょう。

 話が続かない時、会話が途切れてしまった時には、「こういうこともある」「話が続かないのはお互い様(自分ひとりのせいじゃない)」「あせったってしょうがない(逆効果)」「少し力を抜いて話すことを考えよう(できることをすればいい)」「思いつかなかったら、しょうがない(まぁいいか)」「黙って微笑んでいられたらいいんじゃないか(そうすれば「無口だけどいい人」と思われたり「もしかしたら大物?」と勘違いされるかも)」など。

 話が合わない・つまらない・興味がないと思ってしまった時には、「(人づきあいの中では)こういう話もでてくるもの」「(人の悪口・うわさ話・自慢話などをする)こういう人もいる」「これも人づきあいのうち」「こういうことに興味があるんだ(人に興味をもつ)」「何がおもしろいんだろうか?(興味の要因を考えてみる)」「人は人、自分は自分(興味や考え方が違っていい)」「聞き流せばいい」など。

 緊張してドキドキしたり顔が赤くなったりしてしまった時には、「あ、また緊張している(私にはこういうクセがある)」「緊張してもいい(悪いことじゃない)」「(初対面とか、意識してしまう相手の場合は)緊張するのは当たり前」「あせったってしょうがない(逆効果)」「今やれることをやればいい(緊張してもそれなりにできる、と思えるようになればいい)」「まぁいいか、なるようになる(今までだって、なるようになったはず)」など。

 このような一言が心の中で言えれば、少しは心が落ちつきます。
 そして、いちばん大事なことは「その場で落ち込まない」ことです。「うまく話せない」「自分はやっぱり会話が苦手だ」「自分はダメだ」などと考えてしまった時には、「あとで考えよう。今できることをしよう。少しでもこの場を楽しめるように心がけよう」などと、今・その場を大切にできるように考えを切り替えることです。多少の違和感があっても、落ち込んでしまうよりはいいのではないでしょうか。

(2)会話以外の場での対策
 うまく会話ができなかったことを思い出して、悩んだり落ち込んだりしてしまった時の考え方を紹介します。
 まずは、方針を決めることです。「会話ベタでもいいんじゃないの」と考えるか、「会話がうまくできるように努力しよう」と考えるかです。

 「会話ベタでもいいんじゃないの」と考えるのなら、「こういうこともある(まぁいいか)」「こういう時間がある程度あるのはしかたがない」「その時間ちょっとイヤな感じがするだけじゃないか」「黙って聞いていればいいんじゃない?」「私は人見知りで無口だけどいいんじゃないの」「人にどう思われたっていい(どう思うかは相手の勝手、自分は自分)」「ムリして会話に入らなくてもいいんじゃないの」「友達が少なくたっていい」「ひとりの時には人づきあいのことを悩むよりひとりを楽しもう」「自分にはひとりの時間が多いほうがいい」「やりたいことをやろう/夢に向かって前進しよう/愛する人のことだけを考えよう」など。

 「会話がうまくできるように努力しよう」と考えるのなら、「(うまくできなくても)今はまだしょうがない」「(努力すれば)少しずつうまくできるようになる」「それなりに努力しているんだから、あんまり悩むのはよそう」「慣れれば大丈夫」「いい経験(何かヒントがあるかもしれない)」「何か次の対策が見つかったらそれでOK」「いい練習相手」「人づきあいがうまくなる努力をする時と、それ以外の時を分けよう」「今は今を楽しもう」など。


3.会話上手になるための工夫と努力

 会話が苦手で悩む人の現実の対策は、会話がうまくできるように努力することです。
 そのためにはまず、はっきりした目標をもつことです。「人と会話がある程度できるようになろう」「もっと会話がラクにできるようになろう」「会話がうまくできるように努力しよう」などです。今の自分にあった目標を設定することも大事です。
 中途半端な気もちでただ会話に参加しても、思うようにいかずにすぐに落ち込んでしまうことが多いでしょう。

 会話上手になるためにはそれなりの努力が必要だし、それなりの時間もかかる(それまでは多少の我慢も必要)ということを覚悟したほうがいいでしょう。
 もう1つ「自分を育てる」という人生目標をもったほうがいいでしょう。その中の1つとして、「会話ができるようになる」という目標があるということです。「自分を育てる」ということは「幸せになる能力を向上させる」ということです。つまり、「幸せになるために」という目的を忘れなければ、努力もできるのではないでしょうか。

3.1 話題の考え方

 人づきあいの中で、ほとんどの人は会話が途切れて気まずい思いをしてしまうことがあるでしょう。
 ということで、話題を思いつくための方法を考えてみましょう。
 まず、会話の中ではどんな話題があるのでしょうか。

1.自分の話題
 自己紹介、自分の近況、自分の今の気分や体調、自分の仕事/家庭について、自分が好きなもの(事/人/物)に関すること、自分が興味のあること、自分の経験(よかった事/悪かったこと)、自分が思ったこと/考えたこと/感じたこと、自分の夢や目標や将来について、自分の悩み(恋愛/家庭/人生など)について、・・・。

2.相手の話題
 (1.での「自分」を「相手」に置き換えたもの)

3.共通の話題
 この前に会った時のこと、いっしょにしている事、過去に共に経験した事、共通する趣味や興味があること、共通の知人について、・・・。

4.一般的な話題
 天気・気候、ニュース(時事/スポーツ/芸能)、テレビ番組・映画・本、流行(音楽/ファッション/グルメ)、政治・社会問題・・・。

 相手と状況によりますが、まず上の4つのどれかについて考えてみてはどうでしょうか。
 順繰りに考えるのもいいと思います。
 私的には、4〜1へと考えたいと思います。たとえば、

 まず、あいさつに続けて天気・気候。「おはよう。いい天気だね」「こんちは。きょうは寒いねー」とか。
 次に、この前に会った時のこと。「この前はどうも」「楽しかったね」「ありがとう」「ごめん」とか。
 次に、相手の近況。「元気?」「あれからどうした?」「変わりない?」とか。
 次に、自分の近況。「きょう調子悪くて」「最近、こんなことがあってねー」とか。
 次に、最近の話題。「あのニュース知ってる?」「あのテレビ(映画)見た?」とか。
 次に、共通の知人。「あの人こうだったんだって」「あの人どうしたか知ってる?」とか。
 次に、相手の仕事/家庭。「仕事のほうはどう?」「ダンナ(奥さん)/子供は元気?」とか。
 次に、自分の仕事/家庭。「仕事でこんなことがあってね」「うちのダンナ(奥さん)/子供にこんなことがあってね」とか。
 次に、流行。「今あれが流行ってるんだって?」「誰々の新曲聴いた?」「あの本読んだ?」「あれ食べたことある?」とか。
 次に、共通の興味。「この前のあれおもしろかったね」「今度またあれいっしょにしない?」とか。
 次に、相手の興味。「あれ好きだったっけ?」「あなたの好きなあれのこういう話知ってる?」「あれについてもうちょっと教えてくれる?」「最近なんかおもしろいことない?」とか。
 次に、自分の興味。「これおもしろかったよ」「最近、これがマイブームでね」とか。
 次に、政治・社会問題。「今の総理、どう思う?」「相変わらず景気悪いみたいだねー」「イヤな事件が多くてイヤになっちゃうね」とか。
 次に、共通の経験。「前にこんなことあったよね」「あれ(あの人)なつかしいね」「昔、こんなの流行らなかった?」とか。
 次に、相手の夢や目標や将来。「なんかやりたいことあるの?」「あれ頑張ってる?」「将来のこととか考えてる?」とか。
 次に、自分の夢や目標や将来。「実は、こういうことやりたいんだ」「今こういうことやってるんだ」「こうなったらいいなって思ってるんだけど」とか。
 次に、社会問題について。「(教育/少子高齢化など)日本はどうなっちゃうのかなー」「(環境問題/戦争・紛争など)地球はどうなるのかな」とか。
 次に、共通の問題や計画。「このことは協力して頑張ろうよ」「こういうこといっしょにやらない?」とか。
 次に、相手の悩み。「元気ないけど、どうしたの?」「あの問題どうなった?」とか。
 次に、自分の悩み。「今こういうことで困ってるんだ」「ちょっと相談にのってもらっていい?」とか。

 などと、書いていると簡単に会話が続きそうな気がしないでもありませんが・・・。
 最後は、正直に、「話が続かないね」「私はこういうことよくあるんだけど、○○さんはどう?」「こういう時ってどんな話をするんだろうね?」とか、場合によっては「あり」かもしれませんね。
 これはあくまでも例で、内容や言い方は人それぞれだと思います。また、話のきっかけですので、そこから話が展開していくことも十分に考えられます。

 「一般」「共通」「相手」「自分」を意識して考えてみると、何か話題が思いつきやすいのではないかという提案です。ここに書いたような話のきっかけのパターンを1つ1つ自分のレパートリーに加えていけばいいでしょう。
 また、慣れもあると思います。このような工夫をしながら、ちょっと気合いを入れて努力し続ければ、得意のレパートリーのようなものもでき、会話がふくらむことが多くなるのではないでしょうか。

3.2 会話の展開を工夫する

 会話をうまく進めるためにはどうしたらいいのでしょうか?
 ということで、会話の展開について考えてみました。

 会話中には、話し手と聞き手が発生します。それが交互に入れ替わるのがふつうでしょう。
 話し手になるのは、自分から発言するか、相手からの問いかけに応答するかです。
 話し手が話すのに対して、聞き手は様々なリアクション(相づち/表情/動作など)をとります。それが続いたのちに、聞き手が次の質問をすれば話し手の話は続きます。聞き手が自分の感想や意見などを発言すれば、話し手と聞き手の立場が入れ替わります。
 話題はそのまま続いたり、少しずつ変化したり、どこかでガラッと変わることもあります。

 会話が苦手という人は、発言が苦手なのだと思います。何を話したらいいのかわからない、こんなことを言ったらどう思われるか怖いなどという人はそうでしょう。
 自分が話し上手になるというのも1つの方法で、いいことです。会話上手には、話し上手な人と聞き上手な人がいます。会話が苦手という人は、まずは聞き上手を目指したほうがいいでしょう。
 聞き手がうまいと話は進展するものです。

 どうしたら聞き上手になれるでしょうか?
 会話を始めるには、自分から相手に問いかければいいのです。いろんな話題があります。
 相手が発言し始めたら、よく聞くことです。相手の話に「のる」という感じでしょうか。具体的には、うなずいたり相づちをうったりしながらちゃんとリアクションをとることです(それは会話に参加しているということです)。さらに(続き/詳細/疑問点などを)質問すればその話題は続きます。もちろん、その間に思いついたことがあれば、自分が発言すればいいのです。
 話が途切れたら、次の話題を問いかければいいでしょう。
 相手から問いかけられた時には、話せれるだけ話して、同じことを聞き返してみるといいでしょう。人は自分が聞かれたいことを質問することがよくあります。

 このようなことがうまくできるようになるだけで、けっこう聞き上手になれるのです。
 話をよく聞く基本は共通ですから、一度身につければのちに様々な相手に対して役立つでしょう。
 「相手を知れば知るほど好きになる」という心理学の実験結果もあるそうですから、話を聞くうちに親近感が増して、会話もしやすくなるでしょう。
 会話に慣れてくれば、自分でも少しは発言できるようになるでしょう。

 会話を進めやすくするために、事前の努力をするのもいいことです。
・会話をしたい相手が興味のあることについての情報・知識を得る
・流行を知る
・一般的な知識を養う
・自分の考えを人にわかりやすく伝える練習として、文章を書く
・人と会話する前に、話題を考えておいたり、メンタルリハーサルをしてみる
 もっといろいろあると思います。自分なりに工夫してみることが大事です。


4.会話の実践練習をする

 「苦手だから」「うまくできないから」「イヤな気もちになるから」などと会話をしなければ、いつまでたっても会話ができるようにはなりません。たとえ会話のための勉強をいっぱいしても実践しなければ上達はしません。
 また、すぐにうまくなることはできません。実践しながら工夫を重ねていくことが上達への近道です。それでも、実際には少しずつ進歩するものです。

 まずは、会話に参加することです。そのためにすることは、話したい人に自分から話しかけたり、参加したい人たちの輪の中に入っていくことです。慣れないうちはドキドキして、勇気もいると思いますが、自分を育てるためです。ポイントは迷わずに入っていくことのような気がします。タイミングとかあれこれ考えずに、自分から近寄って行けば「なるようになる」でしょう。気のきいた言葉なんていりません。ふつうのあいさつだけでも、目があったらおじぎをするだけでもいいでしょう。

 あとは会話に参加するだけです。とりあえずは聞き手に回ればいいでしょう。人が話している最中には、自分が次に何を話そうかと考えるのではなく、相手の話に耳を傾けるようにしたほうがいいのです。話すことが自然に頭に浮かんでそのタイミングがあったら発言すればいいでしょう。
 うまく話そう、多く話そう、人を笑わそうなどと考えないほうがいいでしょう。そういうことは、ある程度余裕ができてからでいいのです。うまく話そうなどと意識しすぎると、それができないと落ち込んでしまいます。まずは会話に参加することが重要です。相手の話をよく聞くということは、立派に会話に参加しているのです。

 あとは慣れの問題です。会話への慣れ、相手への慣れなどです。慣れてくれば気もちがラクになり、少しは余裕ができて、いろいろ考えられるようになり、発言もできるようになるでしょう。
 そして実践後に大事なことは、少しでもうまくできたら、少しでも進歩したら喜ぶことです。うまくできないことがあっても落ち込まないことです。あせらずに少しずつできるようになればいいのです。

 会話の努力の前にもう1つ大切なことは、「興味・関心をもつ」ことです。
 話題に興味をもつ、相手に興味をもつ、社会(ふたりの関係/グループ/地域/国/世界)に興味・関心をもつ、人間という生きものとその幸せに興味をもつ、などです。
 どのくらい興味がもてるかが、会話(の努力)にも影響するような気がします。


5.どこまで努力するか

 ここまで読んでくる中で、「そんな努力が必要なのか?」「そこまで努力をしなくちゃいけないのか?」と思ってしまった人もいるのではないかと思います。
 そこは、「会話ベタでもいいんじゃないの」と考えるか、「会話がうまくできるように努力しよう」と考えるか、それぞれの人の判断です。どちらでもいいでしょう。

5.1 会話の価値

 会話にはどのような価値・機能があるのか、考えてみました。
 まず、何かを伝え合うこと。それぞれの意思や感情などを伝えることができる。様々な知識や情報を得ることができる。それらが役に立ったり、興味深かったりすることもあります。
 単に、会話が楽しかったりおもしろかったりすることもあります。
 会話がなんらかの“癒し”になっていることも考えられます。ストレス発散になる。喜びや悲しみなどを共有する(「二人だと悲しみは半分になり、喜びは倍になる」などとも言われます)。孤独・寂しさからの脱却と考えることもできそうです。

 会話の場は、自己表現の場/発表の場/自分を発揮する場などと考えることもできます。
 会話は思考の役に立つことがあります。人に話すことで自分の考えが整理できる。人から考えるヒントをもらえることもあります。
 会話を通して人間を知るができます。世の中にはいろんな人がいることがわかる。人のいいところを参考にできる。「人の振り見て我が振り直せ」ということわざもあります。また、人づきあいを学ぶ、もっと言えば人生勉強にもなるのではないでしょうか。

 会話の価値として忘れてはいけないのが、相手を知ることです。会話を通していろいろと相手を知ることで、好意や信頼感が増し、関係が進展するのです。人づきあいに会話は不可欠だし、いい会話をすることがいいつきあいにつながるのではないでしょうか。

 このような会話の機能・価値を意識することで、少しは会話上手になれるかもしれません。自分がそういう価値を少しでも得られれば、会話をして「よかった」と思えます。知らなければ、それに気づけないかもしれません。
 また、相手にそういう価値を与えることで相手に喜ばれます。そういうことができる人は好かれます。何かを教えるプロもいるし、人を笑わすプロもいるし、人の話をきくプロもいます。お金を払ってまでする価値のある会話もあるのです。そこまでいかなくても、会話の中で人を(たとえ少しでも)幸せにできることもあるのです。

 人との会話について、「楽しくない」「興味がない話ばかり」「イヤな話は聞きたくない」「深刻な話は聞きたくない」「人に話を合わせるのは疲れる」などと感じてしまうことはあるでしょう。でも、そういう会話の中にもなんらかの価値があるのではないでしょうか。また、自分が会話に特定の価値を求めすぎているのかもしれません。
 会話にはいろんな価値があることを思い出すことができれば、「会話がイヤ」だと思ってしまうことも減るでしょう。

 会話の価値を知ることで、会話の大切さを知り、少しは積極的に会話(の努力)ができるのではないでしょうか。

 「会話がうまくできるようになりたい」と思うのなら、それなりの努力をしたほうがいいということです。
 ある程度努力して、「このぐらいできればいいんじやないの」と考えてもいいし、「さらに上手になろう」と考えてもいいでしょう。努力をする時期と意識しない時期を分けて、努力する時期が何度かあってもいいでしょう。

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