『私たちは聖者と違って、
自分の敵を愛すのは無理かもしれない。
けれども、自分自身の健康と幸福のために
少なくとも敵を許し、忘れてしまおう。
これこそ賢明というものだ』


デール・カーネギー 『道は開ける』(創元社)より

   自分の心の中に敵をつくり、悪感情を燃やすことは、
    自分の心(場合によっては、身体)の健康と
    幸せを損なうことになるのでしょう

幸せのヒント 「自分の幸せのために

人間関係の悩みには、相手(敵)がいます。

相手がした悪い事を許し、水に流す
相手の身になって、相手のためを考えて対処する

このようなことができればいいのでしょうが、
実際には、なかなか難しいことです。

 相手に対して、苛立ちや怒りや憎しみなどの悪感情が湧くのは、相手が変わることを期待する気もちが自分の心の中にあるからではないでしょうか。

 「こんな人もいる」「このままでもいい(しかたがない)」などと考えられれば、悪感情も大きくはならないでしょう。
 さらに、「こんな人のために、イヤな思いをするのは損だ」「こんな(人の)ことを考えるより、もっといいことを考えよう」などと、切り替えられると、なおいいでしょう。

 自分(の健康と幸せ)のために、このような考え方を心がけることができるようになれたらいいのではないでしょうか。

 『怒りは無謀をもって始まり、後悔をもって終わる』 ピタゴラス

 『腹が立ったら十まで数えよ。
  うんと腹が立ったら百まで数えよ』 ジェファーソン

 『怒りに対する最上の答えは沈黙』 ドイツのことわざ

 人間の感情の中でも“怒り”は最も強いものの一つです。
 怒りの感情にまかせて行動してしまうと、後悔することになりやすいでしょう。
 できるだけ怒りをコントロールするように心がけ、少なくとも怒りを爆発させないようにすることが大切です。

 『私たちが敵に憎しみを感じると、
  むしろ自分自身が敵に支配されることになる』 デール・カーネギー

 『復讐するとき人間はその仇敵と同列である。
  しかし許すとき彼は仇敵よりも上にある』 ベーコン

 し返しをしたり人を憎んだりするのは、自分のためにやめたほうがいいでしょう。
 怒りの感情を人に向けないことが肝心です。

 『怒りや憎しみは心の毒です。
  毒にあたって苦しむのは、あなた自身です』 ジョセフ・マーフィー

 『自分自身の健康と幸福のために
  少なくとも敵を許し、忘れてしまおう』 デール・カーネギー


 『賢者はすぐに許す。時の価値を知っているから、
  むだな苦しみで時が流れていくのに
  耐えられないのである』 サミュエル・ジョンソン

 「自分(の健康と幸せ)のため」に、まずは「許そう」という意欲をもつことができるといいのではないでしょうか。

 「許せない」のは、善悪を裁きたい(正義の心がある)のかもしれません。
 ほとんどの場合、「善悪を裁く(許す)」なんて、おこがましいことではないでしょうか。
 「自分にはそんな権利はない」「自分はそんな人間ではない」などと考えてもいいのではないかと思います。

 『人を裁くことなかれ。しからば汝らも裁かれざらん』 新約聖書

 また、『罪を憎んで人を憎まず』で、一つの過ちで相手に悪意をもつ続けるのはよくないのではないでしょうか。

 不幸が長く続くのは、心が何かにとらわれているからでしょう。
 過去の悪い出来事、悩みや問題、恵まれていないもの、イヤな人、自責や後悔、・・・。
 そういうことを心の中で許すことができないから、いつまでもとらわれて、つい考えてしまい、不快や苦痛を味わい、時間と精神的なエネルギーを無駄に使ってしまうのではないでしょうか。

 許すことができれば、とらわれから解放され、ラクになれるのでしょう。
 過去を許す、問題があることを許す、恵まれていないのを許す、人を許す、自分を許す、・・・。
 「許す」を「受け入れる」に代えてもいいのではないかと思います。

 『自分自身の健康と幸福のために
  少なくとも敵を許し、忘れてしまおう』 デール・カーネギー


 「許し」は、あくまでも「自分自身のため」なのです。
 ひとつのことにとらわれるのをやめて、その分の時間とエネルギーを自分が幸せになるために使えるようになれるといいのではないでしょうか。

記事
相手を「許す」と心と体が健やかになる」(幻冬舎plus)


ゆるすということ』 ジャンポルスキー

more hint! 「人に対する悪感情

   

デール・カーネギーの名言集

名言から学ぶ幸せのヒント

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